地方の政治をもっと身近に!その3 県知事と議会との関係は?

県知事と議会との関係は?

香川県知事選挙が行われました!
そうです。浜田前知事がご勇退され、12年ぶりに香川県知事が交代しました。新しく選出されたのは、池田豊人氏です。
これまでとは違ってくるのでしょうか?
知事は政治家であると同時に、県を経営するトップに立つ人でもあります。 ですから知事の個性が県運営に大きく影響してきます。まずは池田新知事の就任挨拶を見てみましょうか。
「人生100年時代のフロンティア県へ」をスローガンに、大事なものを「まもる」、新しいものを「つくる」、 「誰一人取り残さない」の3つの理念のもと、香川New100PLANを進めます。
第1に、県民100万人計画。人口減少、少子高齢化への対応として、子育て支援、女性の再就労支援、 医療福祉サービス、子ども食堂支援等、多岐にわたる支援を強化し、住み良い香川県を目指します。
第2に、デジタル田園都市100計画。香川の経済発展を見通した起業への支援を強化します。 また本県の高品質な農林水産資源や漆芸など伝統工芸品の保護・活性化、そしてモノづくりが日本に戻ってくる中で、 そのチャンスを生かし、土地の造成や労働力の確保等、香川での受け皿づくりを進めます。かつて大平元総理の提唱した 「田園都市国家構想」の実現を香川がけん引していきたい。
第3に、にぎわい100計画。コロナ禍前の年間1000万人観光客数を2割アップして年間1200万人(月間100万人)を目標に。 文化・芸術やスポーツの積極的な振興により、地域活力の向上や多くの人が訪れる観光立県を目指します。 風光明媚な瀬戸内海に隣接した都市空間・サンポート地区の開発も継続し、香川のシンボル、にぎわいエリアとして確立させましょう。 香川県は、先人の努力により大きな発展を遂げ、豊かな自然環境の中で経済活動を行う地盤が整いました。
「雲上快晴」:どんなに嵐でも雲の上には青空が広がります。国内外において社会経済環境が大きく変化し、 厳しい地域経営が求められる現在ですが、香川県には更に発展できる潜在力があります。 この気概を胸に、この素晴らしい環境を守りつつも、新しい香川発展に向けて全力を尽くしてまいります。
なるほど。知事が経営者でもある、という意味がわかりました。知事の描く将来のビジョンが県政に大きく影響してくるのですね。
瀬戸内海、豊かな県土、温暖な気候、そして讃岐うどんや豊かな農林畜産物・農林水産資源、といった 香川のもつ財産を守りつつ、さらなる発展に向けて産業基盤や都市機能を強化していこう、 という大きなビジョンが見られますね。
前回、議会(議決機関)は知事(執行機関)と牽制し合っていると学びました。
その通り。議会を構成する議員も知事も、ともに住民の直接選挙で選ばれます。 その関係は車の両輪に例えられるほど対等で、両方が正常に機能しない限り県政は前に進めない仕組みになっています。 しかし知事の権限自体は非常に大きく、予算案の編成・執行、また議会への議案の提出によって県政を進めていきます。
そこで議会がチェックする、という形で、お互いが暴走しないよう見張り合っているんですね。
知事の任期は4年。再選を狙う場合、4年後の選挙によって住民からのフィードバックも受けることになります。民主主義ですね。
県知事というからには、市や町にも影響力を持つのですか?
それが、実は県と市町も対等なのです。 保健所、警察、消防など、それぞれ管轄が県であったり市町であったり様々です。 お互いに連携し合い、切れ目のない行政を行うことが県全体としての益につながります。 知事は市町の長と意見交換する機会を定期的に設けており、知事としての力量はそういう場でも問われます。
県が命令したら市町は従うのかと思っていました!
同じく国とも「命令・服従」の関係ではなく、連携の関係です。 特に財政面においては国との関係は切り離せません。香川県の財政は実はカツカツ、という話は覚えていますか?
やりくりが必要だっていう話でした。
香川県の歳入のうち、地方税は2割、地方交付税などの国からの歳入は4割です。 しかし国の財源にも限りがあり、いつまでも頼りにするわけにはいきません。 その上、県内社会保障の費用は年々かさんでおり、破綻を防ぐためにも事業整理などの財政対策が早急に求められるところまで来ています。 県知事として、国との交渉も含め、財政危機にも対応していかなければなりません。
わー責任重大。。。
そうして池田知事の最初の4年が始まるのです。他人事ではありません、私たちの将来がかかっていますからね。 池田知事の掲げる「人生100年時代のフロンティア県へ」、香川県住民のひとりとして、見守っていきましょう。

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